Information

ムターのグバイドゥーリナ ヴァイオリン協奏曲《今この時の中で》

2010 年 04 月 25 日 日曜日

アンネ゠ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)のコンサートに行って参りました。

 

J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 
ベートーヴェン:交響曲第7番 
グバイドゥーリナ:ヴァイオリン協奏曲《今この時の中で》

指揮:マイケル・フランシス 東京交響楽団

 

ベートーヴェンは、最近流行だから?というような追加曲決定でしたが、私が聴いた中でも最も速いテンポの3、4楽章は、オケが付いて行けるか心配でしたが、なかなかぴったりと寄り添った好演で盛り上がりました。ただ、少し速過ぎ??

バッハは、指揮者無しでムターが演奏しながらの指揮振り。本来の姿です。
ムターの音色が美しい! 楽器が素晴らしいのはもちろんですが、スピードの速いビブラートが特徴ですが、高い方も決してキンキンせずに、低い方も太く吸い付くように力強く、また繊細で。 弓の使い方の軽さも気持ちのよい脱力で、オケとのアンサンブルも心地よかったです。

 

一番興味があったのはグバイドゥーリナ。

グバイドゥーリナは旧ソ連時代に不遇のときを過ごし、ギドン・クレーメルらの紹介により急速に知名度を高め、今では現代音楽で最も注目されている作曲家の一人です。 
ムターがグバイドゥーリナに委嘱したこの作品は、神と私という関係性が意識されており、地獄のモティーフ(執拗なオスティナート)と、天国のモティーフ(長調の広がりのある和声)が交互に登場し、渾沌とした世界の中を独奏ヴァイオリンが彷徨いつつも頂点に達しては崩れていく様を繰り返し、周りを巻き込み、だんだん大きなうねりへと発展し続け、最高潮に達したのち神の声が降り注ぎ、天に召喚されていく。 というようなイメージを持って聴けました。

アンコールはバッハの無伴奏。

ピアノ協奏曲演奏会 シマノフスキ ラフマニノフ

2010 年 04 月 14 日 水曜日

国立音楽大学  大学院ピアノ科学生有志による ピアノ協奏曲演奏会が開催されます。
毎年、電子オルガンの学生がお手伝いし、オーケストラパートを電子オルガン二台で演奏。授業の合間を縫って、大学院の先生と森垣桂一先生、電子オルガン教師とが一体となって放課後にレッスンし演奏会を迎えています。

今年はシマノフスキとラフマニノフで、シマノフスキは交響曲の中にピアノ独奏パートが多く、ほとんど協奏曲のように創られています。スクリァービンの影響も濃くなかなか面白い曲で演奏されるのは珍しく、この機会に是非聴いて頂きたい曲です。

5月22日(土) (時間は追ってお知らせします。昼公演)
国立音楽大学 SPC-A

指揮 森垣桂一
シマノフスキ  交響曲第4番(協奏交響曲)op.60
Pf. 独奏 / 中島 香      電子オルガン/三浦 広大     大畑 莉紗

ラフマニノフ  ピアノ協奏曲 第2番   ハ短調  op.18
Pf. 独奏 / 西尾 周祐     電子オルガン/加藤 亜美     大下 愛美


国立音楽大学 電子オルガン & 基礎ゼミ

2010 年 04 月 09 日 金曜日

桜の開花時期と上手く重なった入学式も済み、新学期が始まりました。
今年は国立音楽大学 電子オルガンの新入生が11名と増え、嬉しい悲鳴で、
さらに私ごとですが電子オルガン教授を仰せつかり、いつもに増して忙しい年度が始まりました。
明るくやる気満々の生徒達ばかりで、電子オルガン実技のみでなく、全体に応用の効く人間に育っていって欲しいと願い、指導する側としても気を引き締めて臨みたいと思っております。

国立音楽大学 独自の企画として好評な【基礎ゼミ】が授業開始前にあり、講師とOBでの演奏会やお話を新入生に聴かせ、講師と新入生を数グループに分けたものを組み合わせ、6回に渡るクラス授業でのディスカッションを通して自分の考えをまとめ、最後にレポートのとして提出し初めての単位が得られる、ユニークな企画です。

☆レクチヤーコンサート:「音楽の力」

オール・モーッアルト・プログラム(出演:大学講師と学生OBからなるオーケストラと独唱者,合唱)
1. 歌劇《魔笛》K.620序曲

2. クラリネット協奏曲イ長調 K.622
クラリネット独奏:武田 忠善

3. 歌劇 《魔笛》K.620 第1幕より
第5曲 タミーノ、パパゲーノと3人の侍女の五重唱 〈フム、フム、フム〉
第7曲 パミーナとパパゲーノの二重唱 〈愛を感じる男の人たちには〉
第8曲 フィナーレ 〈この道はあなたを目的へと導きます〉

☆お話:「空間の意識  〜演奏を立体的に構築するために〜」講師:星野 明子先生

☆お話:「クラシック音楽の現場は今」講師:原 武先生

☆お話:「国立で学び世界に学ぶ卒業生に聞く」講師:清水 康子先生

さらにこれまた例年通り、その忙しい基礎ゼミの合間を縫って、5月22日に開催致します大学院との合同ピアノ協奏曲演奏会 のためのレッスンが8時頃まで入り、体力勝負ですが有意義な時間を過ごしています。